近江牛の魅力
最高の美味しさを作る滋賀の風土
近江牛の美味しさの理由に、日本最大の湖「琵琶湖」の存在があります。
琵琶湖を囲む山々を源流とする「400以上の清流」は、古来より農業や畜産の産地として名高い肥沃な土壌を作り出し、食通に評価が高い近江米や、個性豊かな近江の地酒を生み出してきました。
また、夏は暑すぎず冬は寒すぎない環境が肥料となる牧草を育み、水とともに近江牛の肉質や風味を高いものとしてきました。
風光明媚な滋賀の風土を表した存在が「近江牛」と言えます。日本三大和牛の中で最も長い歴史と伝統、そして至高の品質を持って世に知られてきました。
人肌で溶け出すほど融点の低い脂が、とろけるような美味しさを口内に運び、たっぷりの旨味が記憶に残る近江牛。きめ細かい肉質、あっさりしていて柔らかい食感、芳醇な香りは世代や国を問わず、長く支持され続けています。
こだわりを持った少生産
近江牛の出荷頭数は年間わずか「6,000頭」。県内「約75戸の生産者」や、加工・流通に携わる人々が、高い技術と手間ひまを一頭ずつに注ぎ込み、多くの時間をかけて食卓へと届けられています。
生産の現場では、澄んだ水と豊かな牧草に囲まれた環境作りがなされ「全国第2位の水田率」を生かして近江米の稲わらを惜しみなく食べさせたり、牛糞を田んぼに還元して肥料を作る循環型の畜産が実践されています。
滋賀県東部を中心に、県内の幅広い地域が近江牛の生産拠点となっており、その一帯は近江米の生産をはじめ農業の盛んな地域として知られ、昔より農耕用に多くの牛が使役されてきました。
牛を健全に飼育するための豊富な稲わらをはじめとした肥料と気候条件に恵まれた土地柄。素晴らしい環境で手間ひまをかけられ、牛たちはストレスなく健やかに育てられています。 また、流通においても細心の注意による衛生管理が行われており、安心・安全な近江牛の安定供給に一役買っています。
近江肉は中山道を江戸へ、食用和牛の高級品として元禄年間より献上品として、将軍家の食膳をにぎわしたといいます。 江戸の将軍家、御三家に薬用として献上され、明治から現在にいたるまで宮内庁の御用達の牛肉として選ばれている、「国内最古のブランド牛」です。
また、江戸時代「反本丸(へんぽんがん)」という “養生薬” として、将軍家や徳川御三家への献上品にもなっていました。
時代が変わっても幾度となく将軍の食膳にのぼったといわれ、肉の効果が長寿をまっとうしたとも言われています。牛にこめる気配りと心、恵まれた環境で作られる良い肥料と、愛牛心、牛に対する情熱によって肉質向上を計り、知恵に磨かれた味が育まれてきました。
知名度の高い肉の三大ブランド御三家のうち、松坂肉が市場に出たのは大正年間、神戸肉は江戸末期(1859年)の横浜開港で外国人に向けに船積みしたのが始まりで、近江牛が三大ブランドのなかでもはるかに老舗です。
近江牛は、滋賀県内で最も長く飼育された黒毛和種で、特許庁に牛肉の地域ブランドとして認められ、地域団体商標(文字商標)として平成19年5月11日に登録されました。(商標登録 第5044958号)